どこでもドアをください
職場に行けなくなって、少し経った。
主治医や家族など周りの者からは、好きなことをしてゆっくりするように言われる。
こうして自分の思っていることを自分の言葉で吐き出す場を作ったことにより、精神的な落ち込みは随分と軽減した。
しかし相変わらず身体の不調は改善しない。
めまいや微熱といった自律神経失調症の典型的な症状が主だ。
特に厄介なのが、全身の倦怠感とやる気が出ないことである。
私の好きなことといえば、ライヴや舞台観劇に行くことだ。
もちろん、見ている間は楽しい。
しかし、そのためには東京などある程度都会に行かなくてはならない。
以前の記事にも書いたように、田舎住まいの私が都会に行くためには、長時間バスないし新幹線に乗ることが必要となる。
その時間を考えると、出かけることが億劫になる。
数時間座りっぱなし……別にその間、ライヴやお芝居を見るわけでもない。
そのため、見たいな、行きたいな、と思う催し物があっても距離が大きなハードルとなり、断念してしまう。
自家用車で一時間、とかならなんとか行けるのだけれども。
もちろん、行ってしまえば楽しいことも分かっている。
一歩を踏み出すまでが大変なのだ。
不登校や、出勤したくない時と同じだ。
生活圏内にライヴハウスや芝居小屋がないのなら、どこでもドアが欲しい。
ちなみに映画館もショッピングモールもファストフード店も自家用車で30分以上かかるので、ゆっくり好きなことをと言われてもなかなか難しい。
結局今は、寝ることとスマホゲームが数少ない楽しみだ。