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檸檬栽培日記

ヲタクで腐女子でセクシャルマイノリティで双極性障害で田舎在住の人間が好き勝手語ります。doaというバンドが大好き。

「Serendipity」はパクリなのか?

音楽

先日、倉木麻衣ちゃんの新譜を購入した。

 

Smile (初回限定盤) (2CD)

Smile (初回限定盤) (2CD)

 
Smile (通常盤)

Smile (通常盤)

 

 こちらは、オリジナルアルバムとしては5年ぶりの作品となるそうだ。

麻衣ちゃんのアルバムには2ndの『Perfect Crime』以降、ほぼ全作にdoaの徳永氏が提供した楽曲が収録されていることもあり、出れば購入することが多い。

 

 

今回のアルバムには、既にCMのタイアップとして使用されていた「Serendipity」という楽曲が、約2年の時を経て初めてCDに収録された。

JR西日本のCMソングとして、耳にしたことのある人も多いかと思う。

ちなみにこの曲も作編曲を徳永氏が手掛けており、楽器の演奏やコーラスも彼が担当している。

 

そしてこの曲はCMに使われていた時期にデジタル配信されており、一部でオリビアニュートンジョンの「ザナドゥ」のパクリだと悪い意味で話題になっていた。

 

とりあえず、先入観なく2曲を聴いてみてほしい。

 

www.youtube.com

 

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曲の構成や雰囲気が酷似していることに気付くはずだ。

しかし、これを安易に「パクリ」と断罪してしまうのはどうなのだろうか。

 

「パクリ」の定義に関しては、この記事が分かりやすくまとめてある。

 

wating-for-1.net

 

これに当てはめると、「Serendipity」は「オマージュ」に近いのではないかと私は考える。

つまり、「ザナドゥ」をリスペクトの気持ちを持って意識して真似たのではないだろうか。

そう思う理由をいくつか挙げていく。

 

まずひとつに、「ザナドゥ」が全世界的に有名な曲である点。

有名すぎて、パクる必要性が見当たらない。

単なる盗用だとして、ここまで有名な曲を真似れば、パクリだと指摘されるのは必至だ。

真似て何のメリットもない。

「最近の若い子は知らないと思ってパクったのでは」という意見も見かけたが、私は倉木麻衣ちゃんと同世代だが知っているし、彼女の若いリスナーというのも大体同じくらいの世代が多い。

むしろ、倉木麻衣ちゃんのリスナー層は、彼女のデビュー当時20代だったとして現在40代以上のファンが多数派なのではないだろうか。

 

次に、徳永氏は楽曲製作の際、自分のリスペクトする名曲の要素を入れ込んだり、似たような雰囲気をイメージしたりすることが多々ある。

例えば、ZARDの「永遠」はEAGLESの「Hotel California」にインスパイアされた曲だと公言しているし、同じく「Hotel California」のサビに酷似したフレーズがdoaのデビュー曲「火ノ鳥のように」のBメロに出てくる。

 

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あるいは、三枝夕夏 IN dbの「Whenever I think of you」はビーチボーイズ風のコーラスをふんだんに取り入れている。

その他、明言されることはなくとも、往年の名曲に似たようなフレーズやリフやコード進行、コーラスネタなどを確信犯的に使っていることが多い。

 

更に、世間でパクリと騒がれた曲が実際に版権元から訴えられる例というのは少ない。

もちろん、歌詞の酷似や大部分のメロディの一致などで訴訟になった例はある(槇原敬之松本零士に訴えられた例*1など)

しかし、雰囲気が似ているからといって訴えられた例はないのではないだろうか。

著作権にはそれほど詳しくないが、コード進行やギターリフなどには著作権が認められるのは難しいらしい。*2

そもそも著作権が今の日本では親告罪である以上、第三者が断罪するのは余計なお世話という気がする。

 

 

おそらく今回の件は、最初から「この曲はザナドゥのオマージュ」と公表しておけばよかったのかなとも思う。

しかしオマージュなら、リスナーが各々でオマージュ元に気付くという方がより楽しんで聴けるのではないだろうか。

 

 

実は徳永氏はよくパクリ論争に巻き込まれる作家ではある。

確かに今回のように、聴き比べると非常によく似ている場合も多々ある。

ただ、彼のファンとして彼の音楽への向き合い方を知った上で感じるのは、原曲へのリスペクトなく似せていることはないということだ。

リスペクトがあればパクっても許されるかと言えばまた別問題のような気もするが、彼は自分が作曲家であることにこだわっており安易に盗用する人間ではないし、「似せようとした結果似すぎてしまった」というのが実のところかなと思う。

 

なんにせよ、「Serendipity」は流れるようなメロディに透き通った倉木麻衣ちゃんの声がマッチしていて、とても好きな曲である。

*1:槇原側の勝訴に終わっている

*2:よほど独特なものなら認められる可能性があるとのこと