歌詞から見る男女の結婚観
今回比較したい2曲
女性側:「Dear Bride」(西野カナ)
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男性側:「Dear Friend」(DEEN)
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Another Side Memories~Precious Best II~(通常盤)
- アーティスト: DEEN
- 出版社/メーカー: ERJ
- 発売日: 2016/12/21
- メディア: CD
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先月リリースされたC/W曲のBEST盤。
本来はこちらの2曲目に収録。
比較するに至った経緯
その1.年末の音楽番組
最近の流行の音楽にはめっきり疎くなってしまった私だが、何組か気になるミュージシャンも出演するということで、年末に放送された長時間の音楽番組をいくつか見た。
放送時間が長く、好きなミュージシャンがいつ出るか分からないので結局番組を最初から最後まで見てしまうようなあれだ。
その番組の中で歌われた一曲が、前述の「Dear Bride」だった。
歌詞を聞いた瞬間、何とも言えない拒絶感が芽生えた。
最近の20代、もしくは中高生や大学生の女の子たちはこれに共感するのか……と、少し年齢が上の私は感じた。
同時に、性自認がはっきりと女性ではない私は、「女の子の気持ちの代弁者」とも言われる西野カナの歌詞に、「これが代表的な女性の意見なら、女の気持ちなんて分かりたくねえ!!」と思わずにはいられなかった。
その2.B面BESTとカウントダウンライヴ
私はここ数年、DEENのカウントダウンライヴで年を越すのが恒例となっている。
今回のライヴはシングルA面やヒット曲、ライヴの定番曲は一切やらず、普段日の当たらないような曲ばかりを集めた“マニアックナイト”と題され、それに先駆けていわゆるB面BESTがリリースされていた。
そのB面BEST収録曲からの選曲として披露されたのが、「Dear Friend」だった。
「Dear Bride」と微妙にタイトルも似ているし、どちらも友人の結婚を祝福する曲である。
それまでサビの歌詞くらいしか気に掛けていなかったが、歌詞の全体像を改めて認識して私は驚いた。
男性視点だと、こんなにも表現に差が出るものなのか。
もちろん、西野カナ氏が現在20代、「Dear Friend」の歌詞を手掛けた頃のDEENの池森氏が40代前半だったという年齢差もあるかもしれない。
けれど、男女の結婚観の違いを考察するには充分なサンプルではないかと思った。
それでは比較してみよう
男女の夢
女性の場合
たくさんの愛に包まれて
大きな夢を今
この場所で叶える君を
心から誇りに思うよ
どうやら「夢」=「結婚」ということらしい。
確かに小さな頃は「将来の夢はお嫁さん」という女の子は一定数いるし、年頃になれば結婚願望を抱くのも普通のことである。
しかし、「結婚」という夢を叶えるということは、友人として心から誇りに思うようなことなのだろうか。
例えば就きたい職業に就いた場合、本当の意味で「夢を叶えた」と言えるかもしれない。
けれど、結婚は当たり前のことながら目標ではあってもゴールではない。
言ってみれば、「婚姻届けを提出した」、「結婚式を挙げた」というだけのことで、相手がいてお金があればそれほど苦労することもなくできることなのではないだろうか。
昔流行った成田離婚のように新婚旅行直後に離婚するかもしれないし、離婚とまではいかなくとも仮面夫婦だったり、家内別居、完全な別居もありえる。
逆に考えてみると、友人として誇りに思えるような、大きな夢を叶えたといえるような結婚は、女性が専業主婦になることを夢見ていた場合、もしくは玉の輿に乗ることが夢だった場合くらいではないだろうか。
それにしても、女性の夢=結婚、女性の人生のゴール=結婚、という考え方は男尊女卑が横行していた前時代的ではないだろうか。
20代の恋する女性は結婚がゴールだと思うかもしれないが、今は女性も社会で羽ばたける時代だ。
結婚の他にも大きな夢を見ていいのではないだろうか。
男性の場合
思い出す 日に焼けてた 僕たちを
同じ夢追いかけては 泣いて笑った
今はもうあの日のように走れない
だけどまだ 夢追いかけている
主人公と結婚する友人とは、おそらく学生時代に同じ夢を見て励まし合った仲なのだろう。
今はかつてのような若さや行動力はないけれど、それでもお互いに夢を追いかけ続けている、というシチュエーションかと思われる。
そしてその「夢」は、決して「結婚」ではない。
さらに言うと、結婚式を挙げるということはそれなりに収入や生活が安定しているということではないだろうか。
つまり既に就職していて、「夢」というのは「仕事」のことでもないのかもしれない。
考えられるのは、例えば副業として可能な職業、年齢を問わず就ける職業、もしくは趣味の世界での目標、「世界に名声を響かせたい」など具体的ではないもの、そういう生涯をかけて追いかける夢のことのような気がする。
あるいは「結婚」や「仕事」も夢のひとつではあったが、それらを叶えるごとにまた新たな夢を見付けているのかもしれない。
「結婚」という一つの夢を叶えたら終わってしまう前述の女性の生き方より、生涯をかけて夢を追いかけるこの男性の生き方の方が、個人的には魅力的に思える。
男女の友情
女性の場合
強がりでも本当はそう泣き虫だから
私からも彼に一つ頼みたいこと
笑顔の日も涙の日も守ってあげてね
私の大事な友達だから
全体を通してムズムズが止まらない女性同士の友情を歌っているが、特にうわあと思ったのがここ。
完全に友人が自分の所有物みたいになっている。
友人に依存しているというか、依存しあっているのではないだろうか。
「守ってあげてね」というフレーズも、何だか上から目線で気持ちが悪い。
私は中高性の頃から、女性の閉鎖的な友人関係が苦手だった。
もっとさっぱりした付き合いで、特定の個人というよりたくさんのクラスメイトや同級生と仲良くしたかったし、連れションとかも理解できなかった。
この曲に歌われているのはそんな私の苦手な閉鎖的な関係の中でベタベタ慣れ合うような友情で、私には共感できなかった。
男性の場合
君の存在が何度も背中を押してくれて
ここまで来た気がするよ
「夢」に関する部分で紹介した歌詞の続きに当たる部分だが、互いに夢を追いかけあう二人は、いいライバル関係であったのかもしれないと思わせられるフレーズである。
お互いに高め合うことのできる友人関係というのは理想的だと思う。
慣れ合うわけではなく、友人の頑張る姿を見て自分も頑張ろうと思う、そんな刺激し合える関係なのではないだろうか。
私は女子校出身なので男性同士の友情についてはほとんど分からないのだが、例えば好きなミュージシャンや俳優さんを見ていると、このように刺激し合い、高め合う関係にある相手がいる場合が多い気がする。
芸能界の女性のいじめは陰湿だとも聞くし、女優や女性アイドルなどでそのような関係というのはあまり知らない。
まとめ
恋愛脳の女性は視野が狭くなってるのではないかなと感じざるを得ません。
私はこの二曲の歌詞だと「Dear Friend」の方に共感するし、生涯追いかける夢を持ち、互いに高め合える友人と付き合っていきたいと思う。
結婚観、夢の捉え方、友人観に関しては、私は男性寄りの考えに近いのかもしれない。
そしてやはり、西野カナ氏の歌詞が女性の代弁というのなら、私は女心なんてこれっぽっちも分かりたくないと思う。