ファッションの幅を狭める人たち
時折、このような記事をネット上で見かける。
「○○歳を過ぎたらミニスカはアウト!」、「アラサーなのにフリフリの服なんて!」、「オバサンのくせに露出が多いのは見苦しい!」……といった、年齢で女性のファッションを上から目線でぶった切るものだ。
また、「年相応のメイクをすべき!」と論じる記事もよくある。
この記事に出てくる「ミニスカート」、「リボン」、「フリル」、「ピンク」などというキーワードは、女性性を象徴するものである。
主張を鵜呑みにするのであれば、年を取った女性は女性性を捨てろ、ということなのではないだろうか。
つまり、年を取った女性に、女性としての魅力はないということなのだろうか?
その辺りの女性蔑視発言ともとれる主張に関しては、私の興味のある分野とは少し違うので今回は扱わない。
私が注目するのは、「女性は年齢にあわせて服装を変えなければならない」という主張だ。
そもそも、ファッションとはそんなに息苦しいものだろうか。
昨今のコスプレブームを鑑みても、人とは違う、目立つ服装をしたいと思う日本人は増えてきているように思う。
大阪の地下鉄などには都市伝説のように、「ピンクのロリータ服を着た女性の後姿を見かけて、顔を確認するとしわしわのお婆さんだった」という目撃談がいくつもある。
「男の娘」や「ジェンダーレス男子」などの言葉も生まれ、女物の服を着て化粧をする男性という存在も珍しいものではなくなりつつある。
また、Xジェンダーやトランスジェンダーであれば、あるいは異性装者は、日常的に男装や女装をするわけだ。
そこには誰の許可も本来存在しない。
私も性別の概念が欠落しているなりに、「女性」のコスプレをしたり「男性」のコスプレをしたりする間隔でファッションを楽しんでいる。
あのような主張をする人間は、どれだけ型にはまった生き方をしてるんだろう、どれだけ型からはみ出た人間を許せないんだろう、と思わずにいられない。
年齢も性別も関係なく、好きな格好をすればいいと思う。
見た人が不快な思いをする可能性はあるとはいえ、相当無難な服装でない限り不快な思いをする人間がいる可能性はある。
このような考え方をする人間がいる限り、男性がスカートを履ける時代は来ないのだろうなあと思わずにはいられない。