檸檬栽培日記

オタク/腐女子/セクマイ/精神障害者/田舎在住の人間が好き勝手語ります。

配信限定シングルに思うこと

本日、B'zの新曲「世界はあなたの色になる」がデジタル配信限定シングルとしてリリースされた。

腐女子の間で赤安一大ブームを巻き起こし、シリーズ最高興行収入を記録した劇場版名探偵コナン純黒の悪夢」主題歌として、リリースを待ち望まれていた曲である。

ちなみに元々は劇場版コナンのDVDリリースに合わせたタイミングだったようなのだが、DVDリリースが延期となってしまい、B'zファンの一部は「何故この時期に?」と戸惑っているようだ。

 

さて、今回の配信シングルは昨年6月にリリースされた「RED」以来のシングル作品となる。

そして配信シングルとしては、2012年の「Into Free -Dangan-」以来である。

これは「さまよえる蒼い弾丸」の英語ver.であり、それ以前にデジタル配信された「FRICTION」も全英詩の曲であることを踏まえると、日本語の歌詞の新曲が配信限定シングルとしてリリースされるのは、今回が初めてということになる。

 

ちなみにB'zのシンガーである稲葉浩志はこれより早く、2014年から配信限定シングルのリリースを開始している。

今年初めにCDとしてリリースされた「羽」はある種のコンセプチュアルシングルなので、4曲通して聴いてほしいとの思いでCD化となったのではないだろうか。

 

 

実は、B'zの所属するビーインググループにおいて、配信限定シングルは今に始まったことではない。

今回のB'zと同じく名探偵コナンのEDテーマとしてOAされている倉木麻衣嬢の「SAWAGE☆LIFE」が、配信シングルとしてリリースされたのは記憶に新しい。

過去にも倉木嬢は昨年「Serendipity」を、2011年には「あなたがいるから」を配信している。*1

 

また、私の大好きなdoaというバンドも2011年の「We are one」から昨年の「FREEDOM×FREEDOM」にいたるまで全8曲を配信限定シングルとしてリリースしている。*2

CDとしてリリースされた最後の作品は2011年の「Now and Forever」であり、実に5年以上もの間CDシングルがリリースされていない。*3

 

また、インストゥルメンタルバンドのSensationもシングルのリリースは配信のみである。

 

一方、同じビーイング所属のアーティストでもCDをリリースしまくっているアーティストもいる。

バラエティなどでおなじみのDAIGOと、その所属するBREAKERZなどがそうだ。

その他、植田真梨恵La PomPonアンティック-珈琲店-なども精力的にシングルCDをリリースしている。

ちなみに上記のミュージシャンたちのCDの多くは初回盤と通常版があり、収録内容に違いがあったり、DVDが特典として付属していたりする。

 

 

B'zを取り巻く環境を整理するために前置きが長くなってしまったが、ここからが本題だ。

配信限定シングルをリリースする理由は何だろう。

そして、配信限定シングルのメリット、デメリットとは?

私なりに考えてみたいと思う。

 

メリット

  1. タイムラグなくリリースできる;CDを制作し流通させる工程を省ける
  2. コストを抑えられる;価格も安く抑えられる
  3. 全世界で気軽に手に入る
  4. 音楽プレーヤーやスマホなどで聴きやすい;取り込む手間がない
  5. オリコン等の音楽チャートを気にする必要がない
  6. かさばらない;もはや物理的な存在ではない
  7. 音が劣化しない

 

デメリット

  1. 歌詞カードがない;公式サイトなどに歌詞は公開されている
  2. クレジットが分からない;作詞、作曲者以外の情報がないことがしばしば
  3. PVが製作されないことがある;早さ重視の結果?
  4. ジャケ写にアーティストの写真が使われないことがある;上記と同じ理由と思われる
  5. カラオケで歌えない;カラオケで配信されるのはアルバム収録後
  6. 形がないという不安;データが消えたら買い直し
  7. ミュージシャンに入るお金が少ない
  8. CDコレクションに並べられない
  9. カップリング曲がない;ジャケット写真も含めてトータルで楽しめない

 

他にも色々あるかもしれないが、今思い付いたものを挙げてみた。

デメリットの2、8、9辺りで不満に思うのはごく僅かかもしれないが、こういうファンもいると思って知ってほしい。

 

B'zに関していえば、メリットの5は大きいと思う。

連続1位記録というものが常について回り、1998年の「HOME」リリース時にL'Arc~en~Cielの3枚同時リリースシングルとの1位争いの結果、最終的に順位操作が行われたのではないかなどという議論もあった。

2000年の「今夜月の見える丘に」がリリース日を延期した時は、サザンオールスターズの「TSUNAMI」との直接対決から逃げたのではとの声も一部から上がった。

本人たちはそのような記録は気にしていない旨の発言を幾度かしていて、このような憶測は彼らの本意ではないように思う。

そういう意味では、ある意味「オリコンの呪縛」から解き放たれたのでは、という見方もできるのではないか。

尤も、連続1位記録に一番こだわっていたのは事務所*4のような気もするが……。

 

デメリットに関して、個人的に一番引っかかるのは7だ。

ミュージシャンの収入(印税など)は CD>レンタル>配信>>>>>>違法アップロード の順だという。

いくらライヴやグッズで儲かるとはいえ、作品に本来支払われるはずの対価が正しく支払われないのはどうなんだろう。

 

それから、アルバムが出るまでシングルは買い控えるという層も一定数存在する。

デジタル配信シングルだと必ずアルバムに収録される*5こと、配信シングルに上記のデメリットなどによりそもそも抵抗感があることなどから、その傾向は更に強い気がする。

あくまで自分の周りの傾向ではあるが。

私もそうだが、「アルバムよりちょっと早く聴ける」ことにしかメリットを感じていない。

 

更にdoaの話になるのだが、ライヴ会場で「CDを2000円以上お買い上げでポスター(もしくはサインなど)をプレゼント」などという特典が付くことがある。

現状、3000円以上の値段のアルバムしかリリースしていないにもかかわらずである。

過去のCDもあるにはあるが、会場ごとに枚数が決まっているのか売り切れのものがいくつかあったり、そもそも在庫がなくなっても再販しないだろう。

そこらへん、もう少し上手くやってほしい。

条件を3000円以上、にするとか。

 

 

結局私が望んでいるのは、CDと配信両方でリリースし、好きな方を個々で選べるというスタイルなのではないだろうか。

時代は進み、現代はまさにデジタルの世界だ。

しかし、CDに愛着がある者、オーディオファン、色々いる。

あえて今でもレコードプレイヤーで音楽を聴く者さえおり、レコードが再評価されているくらいだ。

 

そして、音楽という作品への対価を気持ちよく払わせてください。

お金を出して買いたいのはTシャツじゃないよ!!

*1:リアレンジ作品を含めると他にもある

*2:後に全てオリジナルアルバムに収録されている

*3:ライヴ会場限定シングルとして、過去の作品をアコースティックアレンジしレコーディングし直したものはリリースされている

*4:ビーイング

*5:アレンジなどが変更されることはある